Internet Explorerで
閲覧されている方へ

MicroSoft社がIEのサポートを終了されることが理由で当サイトはIEにて正しく表示されない事象が確認されております。
当サイトのご利用にあたってはMicrosoft EdgeまたはGoogleChromeをダウンロードしてご利用ください。

更年期治療におけるカウンセリングとは?専門医が解説

MENO MAGAZINE編集部

noimage

更年期症状にはいくつかの方法を組み合わせて、一人ひとりに合う治療を行います。

今回は更年期治療における「カウンセリング」について、女性の更年期に詳しい東京医科歯科大学の寺内公一先生に伺いました。

更年期症状の治療はどのように進めるの?

更年期症状は女性ホルモンの大幅な低下だけでなく、性格やものの考え方、生活習慣、取り巻く環境や人間関係などが複雑に影響してあらわれます。そのため、更年期症状の治療は問診やカウンセリングなどでその原因を整理し、生活習慣の改善(食事や運動習慣の見直し)、薬物療法、そのほかサプリメントなどの補完代替療法を組み合わせて統合的に進めていきます。

 カウンセリング

患者さんは医療従事者やカウンセラーとお話しすることで、また、医療従事者やカウンセラーは患者さんのお話を傾聴することで、患者さん個人の置かれている状況を整理していきます。ライフスタイルの改善やストレスマネージメントへのアドバイス、更年期についてなんとなく疑問や不安に思っていることを聞いてみるのもいいかもしれません。

生活習慣の改善(食事や運動習慣の見直し)

更年期症状のなかには肥満や運動不足、たばこが影響するものがあります。そして、閉経後は生活習慣病や骨粗しょう症になりやすいという心配もあります。バランスのよい食事や適度な運動、禁煙を意識して生活習慣を見直してみませんか。

薬物療法

あなたの更年期症状の種類やそのつらさ、心や身体の状態をみながら、いくつかのお薬を組み合わせて使うこともあります。お薬には足りなくなったホルモンを補うお薬、不安や気分の落ち込みなどを和らげるお薬や漢方薬が使われます。

補完代替療法

「補完代替療法」というとあまり馴染みがないかもしれませんが、その範囲は広く、世界の伝統医学・民間療法、保険適用外の新治療法が含まれます。具体的には鍼灸、指圧などの中国医学、インド医学、免疫療法、薬効食品・健康食品(サプリメント)、ハーブ療法、アロマセラピーなどです。患者さんの状態に合わせ、必要に応じて取り入れます。

 

 

更年期治療におけるカウンセリングとは?

カウンセリングは統合的に行う更年期症状治療の一部ですが、医療機関(病院)では患者さんに満足していただくカウンセリングを提供することが容易ではないという実態があります。その理由、そしてカウンセリングはどのように活用すればいいのか、女性の更年期に詳しい東京医科歯科大学の寺内公一先生にお話を伺いました。

Q1.更年期治療を受けている患者さんから「病院で話を聞いてもらえない」といった声をお聞きしますが、実際はどうなのでしょうか。また、どのようなことが理由と考えられますか。

A1.実際に更年期治療を行っている多くの医療機関では、患者さんのお話を聞こうと努力しています。しかし、すべての医療機関で患者さんが100%満足するサービスを提供することは容易ではありません。その理由として時間(効率)、医療保険制度、医学教育などの問題が挙げられます。医師としては、通常の外来診療時間以外に患者さんが十分にお話を聞いてもらう時間を取ることができれば、それが一番よいと思います。

続きを読む

まず時間(効率)の問題ですが、医師には日々訪れるたくさんの患者さんを治療するにあたり、効率よく治療成果をあげようと努めている人が多いです。効率を考えると、患者さんのお話を十分に聞くより、検査、お薬や手術などのほうが治療成果につながりやすいと感じられるということがあります。それに、目の前の患者さんのお話を十分に聞くことはその患者さんにとってメリットになりますが、後回しにされて院内で待つ他の患者さんにはデメリットになるという悪循環が生まれてしまいます。次に日本の医療保険制度では検査、お薬の処方、手術を行うと病院は利益を得られますが、長い時間をかけて患者さんのお話を聞いても、病院は利益が得られない仕組みになっていることも問題です。

そのほか、教育の問題もあると思います。医師をはじめとする医療従事者は、医学教育や診療の場でいかに速く手術をするか、検査データを読むかというトレーニングはしています。しかし、患者さんにどのように寄り添ってお話を聞くか、どのようにアドバイスをするかというトレーニングはほとんどしていません。ですから、職業人としてカウンセリングに対する自信が持てないということもあると思います。

このようなことが積み重なり、多くの医師は時間もカウンセリング経験もない自分たちは患者さんのお話を聞くことは難しいと思うため、患者さんが病院で話を聞いてもらえないという状況になると考えられます。医師としては、通常の外来診療時間以外に患者さんが十分なお話を聞いてもらえる時間を取ることができれば、それが一番よいと思います。

Q2.患者さんがカウンセリングを受けたいとき、どのような方にカウンセリングを受ければよいでしょうか。職種に指定などがありますか?

A2.更年期に関する専門的な知識を十分に習得した上でカウンセリングマインド(カウンセリングの心得)がある方であれば、職種は問わないと思います。カウンセラーには専門的な知識を持って、科学的に正しい情報をわかりやすく患者さんに伝えることが期待されます。更年期症状は食や運動などの生活習慣も影響しています。カウンセラーは専門的な視点で、患者さんの生活に直結するようなアドバイスもできると思います。

 

Q3.更年期に関する専門的な知識を十分に習得したカウンセリングマインド(カウンセリングの心得)を持つ方が、「カウンセラー」としてふさわしいとのことでした。次に逆の視点ですが、どのような患者さんがカウンセリングには適していますか。

A3.更年期の治療はカウンセリング、生活習慣の改善、薬物療法、補完代替療法を組み合わせて統合的に進めます。そのため、どの患者さんにもカウンセリングは適していると考えられます。しかし、カウンセリングを中心に治療を進めるといいと考えるのは、お薬でなかなか症状が改善しない患者さん、ご自分の状況や感情、ご自分を取り巻く環境などを整理することが苦手な患者さんです。更年期症状は身体・気持ち・生活環境が複雑に影響してあらわれます。さらに最近は、「私はなぜ生きているのでしょう」といったその人の実存に関わることまでもが影響しているとも考えられています。これらは均等に影響するわけではなく、身体と気持ちの影響と考えられる患者さんもいれば、気持ちや生活環境が大きく影響している患者さんもいます。身体の影響と十分に推察できる患者さんは、お薬を中心に治療を進める場合が多いです。一方、どちらかというと気持ちや生活環境が大きく影響している患者さんには、カウンセリングを中心に治療を進めることが多いです。そのため、患者さんの更年期症状に、何がどのくらい影響しているかを見極めることは非常に大事だと考えています。

そのほか、ご自分の状況や感情、ご自分を取り巻く環境などを整理することが苦手な患者さんもカウンセリングを中心とした治療が向いていると思います。漠然としたことでも、人と話しているうちに情報を整理して時系列で並べたり、何かとの関係性を見出せることがあります。更年期領域を専門とするカウンセラーであれば専門的な視点で、治療の各段階で必要な情報や患者さんの抱える問題をうまく整理するサポートをしてくれます。例えば、更年期治療の初診では患者さんご自身の「今現在の月経の状態はどうなのか」「どういった症状をいつから感じているのか」といった情報、更年期症状とは別に患者さんの既往歴、家族歴などの基本的な情報の整理を。さらに治療が進んだら、患者さんご自身の性格、ライフステージを経てのご家族や周囲の方々との関係や関係をとおして得られた感情などを十分に傾聴して、患者さんの抱える問題を徐々に整理し、認識させてくれると思います。

Q4.現在、更年期症状に悩む方向けのカウンセリングサービスが、民間事業者や行政などから提供されています。そのようなサービスを通常の外来診療時間以外で有効に活用する方法がありましたら、教えてください。

A4.限られた診察時間では、症状やお薬について、医師は患者さんが十分に理解できるように説明することが難しいことがあります。「このような仕組みで症状があらわれています」とか、例えば女性ホルモンのお薬を出されたら「女性ホルモンのお薬はこういうものです」など、患者さんの更年期やその治療への理解を助ける・深めるようなカウンセリングは、患者さんにとっても医師にとっても有用だと思います。

更年期症状の要因がいろいろあるように、患者さんごとに治療の進め方は異なります。患者さんの症状、更年期治療への理解、治療の各段階に応じて、カウンセリングをうまく活用してもらいたいと考えています。

インタビューでは、更年期治療としての「カウンセリング」、カウンセリングで得られる患者さんと医師双方のメリット、またカウンセラーに対する医師の方々の期待を知ることができました。カウンセリングときくと、少しハードルが高いなと感じる方もいると思いますが、気軽に受けられるサービスもあります。行政の保健センターや女性の健康を支援するNPO法人が開いている相談窓口など、ぜひご活用ください。

イラスト/たがやす共創パートナー 田中友美乃

 

コラム:サプリメントと医薬品の違い

更年期にあらわれる症状の緩和にサプリメントを活用する、という人もいますが、サプリメントはいわゆる「健康食品」で、医薬品(お薬)とはまったく別のものです。医薬品は臨床試験などの十分な根拠データ(エビデンス)により、ある病気や症状に「効果がある」と厚生労働省に認められたものです。サプリメントの中には特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品のようにエビデンスを基に国の審査を受けたり届け出たりするものがありますが、その他一般のいわゆる「健康食品」はそうではありません。

「トクホ」は医薬品並みの臨床試験が行われて、表示する効果などを国が審査を行い、食品ごとに消費者庁長官が健康効果などの表示を許可しています。「機能性表示食品」は既に知られている根拠データを活用して消費者庁長官に届けていますが、個別の許可は受けておらず、事業者の責任でその機能を表示しています。サプリメントの中には「栄養機能食品」に該当するものもあります。「栄養機能食品」は国の審査や届け出はありませんが、健康の維持などに必要な栄養成分の含有量が国の基準を満たしており、特に許可なく定められた栄養機能表示をつけて販売することが可能です。

いわゆる「健康食品」は健康の維持などに役立つといわれる成分が含まれてはいるものの、国への届け出や国の審査はないため、「効果がある」ということは難しいです。

症状の緩和とは別に、毎日忙しくてきちんとした食事が取れない、苦手な食品があって栄養バランスが心配、という人には、サプリメントで不足しがちな栄養を補足するというのも、一つの手です。

長くつき合う更年期にサプリメントを活用する上では、実際に使ってみて「合う」「合わない」「なんとなく好き」というあなたの判断もとても大切です。でも、サプリメントのなかにはお薬の効き目に影響するものもあるので、更年期症状やそれ以外の病気でお薬を服用している場合、体調がすぐれないといったことがあれば、すぐに医師や薬剤師に相談しましょう。

[厚生労働省HP資料]

https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/dl/pamph_healthfood_d.pdf

[消費者庁HP資料]

https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/about_foods_with_function_claims/pdf/150810_1.pdf

 

監修

東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 茨城県地域産科婦人科学講座

教授 寺内 公一 先生

noimage

MENO MAGAZINE編集部

アステラス製薬のウィメンズヘルスマガジン。更年期にまつわる基礎知識・症状・対策・体験談などの情報を発信しています。

カテゴリ別人気記事

カテゴリ別最新記事

メディアカテゴリ