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あの頃の服をもう一度…更年期に太るのは止められないの?

MENO MAGAZINE編集部

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本マガジンご利用の皆様へ(注意事項等)

 

気に入っていた服を久しぶりに出して着てみたら、なんとなく似合わなくなった、きつくて着られなくなってしまった…そんな経験はありませんか?

若い頃と同じように食べているだけなのに、じわじわと体重が増えてきた、と悩んでいる人も、きっと少なくないのでは。

今回は、更年期の体型の変化とメタボリックシンドロームのかかわりについてご紹介しましょう。

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心筋梗塞や脳梗塞を招くメタボリックシンドロームにご注意

女性の太りやすさとホルモンバランスは、深い関係にあります。ホルモンバランスが大きく変わる更年期は、思春期や出産後と並んで、太りやすい年代です。この時期に太ることは、見た目だけの問題ではなく、健康にも悪い影響をおよぼす可能性があります。

特に、50代をすぎてから増えてくるのが、メタボリックシンドローム。友達とのおしゃべりで、「太ってきちゃって」という意味で「メタボになっちゃって」なんていうこともあるかもしれませんが、メタボリックシンドロームは、ただ太ることだけを指すのではありません。

キーワードは、「内臓脂肪」。 メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪が増えすぎて(「内臓脂肪型肥満」と呼びます)、血糖値が上がったり、中性脂肪が増えたり、善玉コレステロール(HDLコレステロール)が減ったり、血圧が高くなったりすることで、「動脈硬化」を起こしやすくなった状態 のこと。血管がかたくなって詰まりやすくなってしまい、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まる危険な状態なのです。

診断基準もきちんと決まっていて、まず、ウエストの周囲が90cm以上(女性の場合)あること(内臓脂肪型肥満)。さらに脂質異常(中性脂肪値が高いかつ/またはHDLコレステロール値が低い)、高血圧、高血糖の3つのうち2つ以上が当てはまると、メタボリックシンドロームであると診断されます。

 

女性ホルモンが減ってくると、メタボのリスクが高まる

メタボリックシンドロームにつながる「内臓脂肪型肥満」は、内臓のまわりに脂肪がたまり、丸いリンゴのようにポッコリとお腹が出てくるため、「リンゴ型肥満」ともいわれます。

これはどちらかというと男性に多いとされる肥満のタイプで、女性は、お尻や太もも、二の腕などに皮下脂肪がついて「洋ナシ型肥満」といわれる下半身太りの体型になる「皮下脂肪型肥満」が多いといわれます。ところが、更年期の頃から、メタボリックシンドロームにつながる、内臓脂肪型肥満が増えてくるのです。

その理由としては、下記のような原因が考えられます。

 

  • 女性ホルモン(エストロゲン)が減少することで、内臓脂肪がつきやすくなる
  • 年齢とともに筋力が低下し、運動量も少なくなり、食事からとるエネルギー量に対して消費するエネルギー量が少なくなる

ダイエットに近道なし。運動と食事の改善でメタボを予防しましょう

内臓脂肪を減らして、メタボリックシンドロームを予防するにはどうすればよいのでしょうか?

残念ながら、「これさえやれば簡単にやせられる」なんていう方法はありません。健康のためには、地道に運動と食生活の改善を行うのが、結局はいちばんの近道なのです。

内臓脂肪はつきやすく落ちやすい脂肪といわれ、皮下脂肪に比べて運動の効果が出やすいので、目標を決めてがんばってみましょう。

 

【運動】週単位で目標を立てて、有酸素運動を

運動のポイントは、無理をしないことと、三日坊主にならずに長く続けることです。そして、息が切れるような激しい運動ではなく、少し汗をかいて話しながらできるくらいの「有酸素運動」を行いましょう。

体重がすぐに減らなくても、運動は、内臓脂肪を減らして血糖値や血圧などを下げることにつながりますので、体重の数字に一喜一憂せずに、効果があると信じて継続することが大切です。

たとえば、 運動量の目安となるMETs(メッツ)という単位を使って、1週間の運動量の目標を立てましょう 。内臓脂肪を減らすためには、週に10メッツ・時(メッツ×運動時間)程度の有酸素運動をすることが必要です。

1週間の合計で目標を達成できていれば、毎日必ず運動しなくても大丈夫ですし、一度に長時間運動する必要もなく、「30分以上の運動を週に2回以上行う」や、「毎日10分ずつ、今より長く歩くようにする」でOK。

たとえば、「1駅手前で降りて歩く」「スマホの歩数計と連動したゲームやアプリなどを活用する」「エレベーターやエスカレーターをやめて階段を使う」「ちょっと遠くにお気に入りのお店を見つける」など、自分の生活スタイルや性格などに合わせて「これならできそう」と思えるやり方で始めてみましょう。

更年期世代の女性向けのプログラムや、オンラインプランがあるスポーツジムなどもあるので、利用してみてもいいでしょう。ただし、高血圧や糖尿病、高脂血症などで既に治療を受けている人は、急に運動を始めると危険な場合もあるので、どんな運動を行うかなど、必ずかかりつけ医に相談してください。

 

 

【食事】バランスを大切に、続けられる目標を工夫して

食生活の改善も、無理して我慢するばかりでは、結局続かなくなってしまいます。

「摂取エネルギー量」「栄養バランス」「食習慣」の3つの観点から、自分の食生活を見直してみましょう。

1.BMIが25を超える場合は、摂取エネルギー量を減らして

1日に必要なエネルギー量は、体格や体質、活動量などによって違います。個人差が大きいのであくまで目安ですが、身体活動レベルがふつうの50〜64歳の女性の推定エネルギー必要量は1日に1,950kcal程度といわれています。

摂取エネルギー量を制限する必要があるかどうか、 BMI(体格指数:body mass index) を目安にしてチェックしてみましょう。

 

  • BMIは「体重(kg)÷身長(m)の2乗」で求められます。たとえば、身長156cm、体重58.4kgであれば、58.4÷(1.56×1.56)で、BMIは24.0となります。BMIが、21.5~24.9であれば、摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスがとれていると考えられます。

BMIが25を超える場合は、エネルギーをとりすぎている可能性があるので、食事の量を見直してみましょう。ただし、極端なエネルギー制限は、必要な栄養素が足りなくなり、筋肉を減らすことにもつながるので、注意しましょう。

 

2.たんぱく質、脂質、炭水化物(糖質)のバランスが大事

食生活を見直すときには、全体のエネルギー量の合計だけでなく、栄養のバランスが大切です。 たんぱく質が不足しないようにすること、自己流の糖質制限を行わず、全体のエネルギー量の50〜65%を炭水化物(糖質)としてとること などに注意しましょう。

1日3食を規則正しくとり、「主食(ご飯やパン)」「主菜(肉や魚、卵、大豆製品)」「副菜(野菜類、海藻、きのこなど)」をセットでとるようにすると、自然とバランスがとれてきます。

▶日々の食事の準備が楽になる。「和食の哲学」をおさらい

日本人の食事摂取基準(2020年版)」に、たんぱく質、脂質、炭水化物(糖質)のバランスの目標値が示されています。

 

3大栄養素の摂取割合の目標値(食事全体のエネルギー量に対する割合)

  • 30〜49歳女性:たんぱく質13〜20%、脂質20〜30%、炭水化物50〜65%
  • 50〜64歳女性:たんぱく質14〜20%、脂質20〜30%、炭水化物50〜65%

 

3.日頃の食習慣を見直す

「腹八分目でやめられない」「お腹がいっぱいでも、残り物を全部食べてしまう」「野菜をあまり食べない」「1日に何度も間食をしてしまう」「夜遅い時間に食べることが多い」「早食い・ながら食いが多い」…。エネルギーのとりすぎや、栄養バランスの乱れにつながる、こんな食習慣に思い当たることはありませんか?

 

 まずは、自分の悪い食習慣に気づくこと。そして、ちょっとしたことでも今すぐできることを見つけて、実際に自分の行動を変えていくこと が大切です。

週末と平日を含めて3日間だけでもよいので、食べたもの・飲んだものをスマホで写真に撮って記録してみると、自分の食生活を客観的に振り返ることができます。SNSなどにアップして、友達と励ましあうのもいいですね。

目標を達成できたときのご褒美を決めておくのもおすすめです。

また、 タバコを吸っている方は、できればきっぱりやめたいもの 。タバコを吸っていると、血管が弱くなって動脈硬化のリスクが高くなることに加えて、血糖値が上がりやすくなるなどメタボリックシンドロームになりやすくなることがわかっています。

お酒を飲む習慣がある人も注意が必要です。お酒そのもののエネルギー量に加えて、食欲を刺激しておつまみを食べすぎてしまうなど、エネルギーのとりすぎにつながるので、なるべく控えて。また、 お酒は眠りの質にも悪影響をおよぼします 。睡眠中に分泌される成長ホルモンには脂肪を分解する作用がありますが、睡眠不足になるとこの成長ホルモンの分泌が低下してしまいます。寝る前のお酒は避けましょう。

▶更年期と不眠の関係〜夜眠れないのに昼間眠くなるのはなぜ?

 

 

コラム:更年期でやせることもある?
今回は、更年期に太ってしまうお悩みについて紹介しましたが、更年期の影響で、やせてしまうことはあるのでしょうか。

更年期の世代で、何もしていないのにやせてきてしまう場合、なにか原因となる病気が隠れている可能性もあります。

BMIが18.5未満になってしまったり、半年~1年の間に、4.5kg以上あるいは体重の5%以上減ってしまったりしているようなときは、かかりつけ医に相談してみましょう。

 

監修

東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 茨城県地域産科婦人科学講座

教授 寺内 公一 先生

 

日々の食事の準備が楽になる。「和食の哲学」をおさらい

肩の力を抜いて、バランスの良い食事を楽しむために。参考にしたい書籍はこちら。

一汁一菜でよいという提案(著:土井善晴/Amazon)

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