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夜、ゆったりできるひとり時間にしたいこと/医師に聞いた「更年期、こんな時どうすれば?」(4)

MENO MAGAZINE編集部

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女性ならば誰もが経験する更年期。これまでは感じたことのない体や心の変化にとまどったり、不安になることも少なくありません。

そんな更年期を「将来の自分のために、健康になるきっかけ」と話すのは、イシハラクリニック副院長の石原新菜先生。更年期におすすめの夜のひとり時間の過ごし方を教えてもらいました。

下半身の血流を良くする運動がおすすめ

―先生、更年期の症状に悩む方々から、心身の不調を乗り越える術が分からなくて不安だという声をいただくのですが、そもそもどうして更年期になると、体や心に不調が生じるのでしょう?

石原先生(以下、石原):西洋医学では、ホルモンバランスが崩れることが原因と考えられています。確かにそれはそうなのですが、閉経期に近づくと誰でもホルモンバランスは崩れるのに、更年期の症状が重い人、軽い人、出ない人と、いろいろな人がいらっしゃいます。不思議ではないですか?

―確かにそうですね。

石原:更年期障害には、ホットフラッシュ(のぼせやほてりなど)、 動悸、イライラ、不安、不眠など、さまざまな症状があります。漢方医学では、これらの症状に個人差があるのは「昇症(しょうしょう)」の状態が影響していると考えられています。

―昇症ですか? 漢方にうとくて恐縮なのですが、はじめて聞く言葉です。

石原:昇症とは、上半身に血液が昇ってきて起こる状態のこと。漢方では、下半身が温かくて、上半身が涼しい状態が健康だと考えます。逆に下半身が冷えて血流が悪くなると、本来下半身にあるはずの血液が上半身に集まってきて、ホットフラッシュやイライラといった症状を引き起こす、という考え方です。ですから、更年期障害の予防や改善には、下半身の血流を良くすることが大切だとされています。

―なるほど~。下半身の血流を良くするには、どんなことをしたらいいでしょう?

石原:まずは、足腰をよく動かして、血液を下半身に集めるようにします。ウォーキング、ジョキング、スクワット、もも上げ、サイクリング、ダンスなど、なんでもかまいません。次に、お風呂。半身浴で下半身を温めます。半身浴は10分ぐらいで顔にプツプツと汗が出てくる温度で、15~20分程度入ります。お風呂の中では、キャンドルやアロマ、バスソルト、音楽など、好きなことを楽しみながらリラックスを。すぐにお風呂に入れないというときは、足浴もいいですよ。洗面器にやや熱いお湯を入れ、両足を15分ぐらいつけます。

―体を動かして、お風呂で温まるということですね。簡単そうですが、忙しいとついついさぼってしまいそうです。

石原:忙しいと続けるのって大変ですよね。そういう人は、夜のひとり時間のルーティンにしてしまうといいですよ。お風呂に入る前に、まずは運動で下半身を動かす。そうすると、体も温まりやすくなってお風呂の効果もアップします。お風呂から上がったらアロマや音楽でリラックスしながらストレッチをして体をほぐします。このとき、できたら部屋の明かりは間接照明がおすすめです。そして、スマホやテレビを見るのはやめて、ゆっくりと腹式呼吸をしてみましょう。すると、自然と心地良い眠りに入れます。朝目覚めたら、布団やベッドの中で軽く体を伸ばすようにするのもいいですね。

―なぜ間接照明にした方が良いのでしょう?

石原:快眠には、「睡眠ホルモン」ともいわれるメラトニンの働きが大切です。 メラトニンは夜間に多く分泌されるのですが、夜に強い照明の中にいると分泌が抑えられてしまうのです。ですから、照明を落としたやや暗めの部屋で過ごすことで、メラトニンの分泌を促進してぐっすり眠る準備をしてください。

―やってみます! ところで、腹式呼吸にはコツってありますか?

石原:とにかく吐くことに意識を集中してください。目をつぶって、できるだけ長く息を吐きます。10回ぐらい繰り返すといいですね。寝る前はもちろんですが、日中、イライラしてしまったときにも腹式呼吸をすると、だんだん落ち着いてきます。目をつむることで、いろいろな情報をシャットダウンできるので、呼吸だけに集中しやすくなるのです。

腹巻き、しょうが湯で、体の中からポカポカに

―寝る前のルーティンの他にも、気を付けるといいことは?

石原:下半身を冷やさないようにするため、私は一日中、腹巻を愛用していますね。

―腹巻き、そんなにいいのですか?

石原:名付けて、頭寒足熱(ずかんそくねつ)ファッション。下半身は子宮や卵巣など女性にとって大切な臓器が集中している場所。私のように腹巻きもいいですし、スパッツ、靴下 などをプラスしておなかから下を常に温めておけば、下半身の血流も良くなります。

―さっそく腹巻きつけてみます。

石原:それから、体を温める作用のあるしょうがを摂ることもおすすめです。日中ならしょうが紅茶(紅茶にしょうが、お好みではちみつを入れる)で摂れば、利尿作用も高いので、温め効果だけでなく、下半身のむくみもとれやすくなります。寝る前なら、しょうが湯がいいですね。お好みではちみつを入れるとおいしく飲めてリラックスできます。

―体の中からも外からも温めることが大切なんですね。血流が良くなると、いろいろな不調が良くなりそうです。

石原:そうなんですよ。体に必要な栄養素や酸素を運ぶのは血液の役割です。だから、血流が良くなるということは、体のすみずみにまで栄養が行き渡るということ。体が元気になるとメンタルも整います。肌のターンオーバーも促進され、肌の調子も上がりますよ。

好きなことに集中して、脳の休息時間を

―仕事や家庭のストレスがしんどいという声もありますが、そういった人はどうしたらよいでしょう?

石原:現代社会は情報のスピードが速いので、常に複数のことにアンテナを張っている状態。その上、更年期の女性は仕事や家事、育児など忙しさもマックスで、気付くと、頭も目もすごく疲れているものです。そうするとイライラしたり、落ち込んだり…。そんな日々から少し離れて、脳を休ませてあげる時間を作ってみてください。

―脳を休めるって、どうしたらいいのでしょう?

石原:特別なことは必要ありません。例えば私は走ることが好きなのですが、走っているときって何も考えていないものです。”無”になるというのでしょうか。スポーツやガーデニング、料理、刺繍など、なんでもいいのです。いまの自分だけに集中することが大切です。

―確かに料理や運動をしているときって、余計なことは考えられないものかも。

石原:そういう時間をもつことで、ストレスはなくならないけれど、違う角度から自分を見つめることができ、解決策が見えてくることも。そのためには、自分なりのリラックスできることを見つけておくといいですね。更年期は誰もが通る道ですが、生活習慣を少し変えてみることで症状がやわらぐこともあります。将来の健康のためにも、いまがチャンスと思って、自分ができることからはじめてみるといいですね。

 


石原新菜(いしはらにいな)
医師 イシハラクリニック副院長 健康ソムリエ講師
クリニックでは漢方薬処方を中心とし、食事指導を行う。テレビ・ラジオ、執筆、講演なども行い、美容と健康増進の効果を広めることに尽力している。二児の母。テレビ東京「主治医が見つかる診療所」レギュラー出演中。


 

取材・文/寳田真由美(オフィス・エム)

 

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アステラス製薬のウィメンズヘルスマガジン。更年期にまつわる基礎知識・症状・対策・体験談などの情報を発信しています。

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